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チャプター4

10年続けるつもりでやること

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羽生 善治

 もし新たな道を決めた若者が一人いて、私が声をかけるとしたら、「やると決めたら10年やるつもりでやりなさい。」と言うと思います。何かを極めようと思ったら、そんな簡単には絶対にできません。10年は絶対に打ち込むという覚悟でやるべきだと思います。たとえそれがどんな状況であれ、どんな結果であれ、続けるべきだというのが一つ言えることです。最近は「先が見えない時代で不安だ。」と言われることが多いですが、社会に対する不安はずっとそうなんですよ。そうでなかった時代というのがむしろすごく少なくて、どの時代でもなにかしらの不安はあるし、何かしらの問題はあります。だから必要以上に悲観する必要はないと思います。もちろんあんまり気楽に考えちゃいけないですけど、近頃は必要以上に悲観的になりすぎていると思います。例え「今が厳しい時代だ。」と言われていようと、自分がやると決めたならばやり続けてみることが大切です。将棋の世界の場合は結局どれだけ続けていけるかということに尽きます。例えば10代で将棋の世界に入って一生懸命勉強しても、70代までずっと情熱を持ち続けることができるかというと非常に難しいわけです。そういうモチベーションの浮き沈みがなくずっとやっていければいいですけど、やっぱりそうはできないときがあって、それでもその時の自分のベストを尽くせるかどうか、できることをやれているかどうかといったことが非常に大事になります。そういう意味で、本当に「継続は力なり。」であって、やっぱり続けるということが大事なんじゃないかなと思っています。

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[編集 2010年6月 林賢司]

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