チャプター4

あなたがいて私がいる

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江森 克治

 私が最近CSRをやっていて学んだことなのですが、CSRマネジメントシステムという制度を会社に導入したときに一番最初にやることは、自社の利害関係者であるステークホルダーが誰であるかを特定してその人のニーズを探ることなんですよ。それは当たり前のような話なんですけど、私はそれが本質だと思っているんです。

順番としては、先にあなたがいる。あなたがいて私がいる。つまり私がいてあなたがいるんじゃないんです。それって世の中の本質だと思っていて、「あなたがいるからあなたのために私は何をするかを考える」ってことですね。よく人は「私がこうしたい」ってなりがちなんですが、自分を必要としてくれるあなたがいないことには私は存在しえない。じゃあ自分を必要としてくれるのは誰なんだろう、誰のどういう声に自分は応えられるんだろうってことを考えることだと思うんです。その人の声に応えようと思って一生懸命頑張るということが全てじゃないかと思います。

どうしても自分のことばっかり考えていると周囲が見えなくなってしまいます。今企業もそうだと思うんですが、周囲が見えなくなりがちなんです。お客さんもニーズが変わってくるのに、そこをちゃんと見ようしない。勿論長年の流れの中で存在している関係というのもありますが、何が良くて頼んでくれているのかを見ようとしなくなってしまい、誰の何に役立っているのかということを忘れてしまいます。気付いたら全然誰の役にも立っていなかったとしたらその時はもうダメです。そうならないように、特に今のような流れの早い時代はいつも「誰の何に応えているのか」を確認しなくてはいけないと思います。それは人間関係にも言えることだと思います。たとえば、友達なんかだと「こいつそもそも俺の何がよくて付き合ってくれてるんだろう」っていうのがわからなくなる。夫婦などもそうなんですけど、だんだんわからなくなってしまうんですよ。だから大事なのは、「誰の何に応えているのか」ということに常に帰るということです。それはビジネスだけじゃなく、人間関係全てに通ずることがあると思います。

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[編集 2011年10月 植松敬]

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