現代の都市に取り残された古い木造賃貸アパート。
カンカンと音のする階段と、畳一間の部屋。
隣人の生活の物音がかすかに聞こえる、気配がする。
もちろん風呂なし、そして共同トイレ。
60年代から70年代にかけて、そんな木造賃貸アパートが東京という大都市に大量に建てられました。
日本は高度経済成長期の時代。
木賃アパートは、明日を夢見る若者や家族にとっての、エネルギーに溢れる場所でした。
それから半世紀が経とうとしています。
大半の学生は、80年代から増えたワンルームマンションや2×4のアパートに住むようになり、
木賃アパートは今までと違い、人気もなくなり、
周辺地域の中で決して良好な環境を形成しているとは言えません。
そこには、木賃アパートにあった、「いっしょに住む」という意識も、もうありません。
今、木賃アパートはその役割を見直すときを向かえています。
このプロジェクトはそんな「木賃アパート」を「学生」が
自分たちの手で、自分たちのために再生するというものです。
それは、「住む」という行為に対して真剣に考えるということ.
決して、ノスタルジックにではなく
今を生きる自分たちが本当に必要としているものを探すということ。
そして、都市と住まいの新たな関係を創りだしていくこと。
このプロジェクトは学生が自分たちの手で、
街を歩き、木賃アパートを探し、オーナーと交渉し、再生案を考え、実行し、住みます。
そんなプロジェクトです。